『地方議会のズレの構造』を読んで、感じた事、思い出した事

『地方議会のズレの構造』を読んで、感じた事、思い出した事



自治体議会に対する不信が募り続け、ある意味、国政以上に深刻

在任期間中もずっと感じていました。何故ここまで住民と意識のズレが生じるのか?お互いに言い分は有るが、意見のすれ違いが原因かなぁ。


議員報酬について、自治体の規模が小さくなればなるほど、兼業を前提にしないと生活がおぼつかない

公務員は当然として、民間企業に勤める、多くの現役世代は立候補を考える事すら出来ないのが現状。非常に偏った人達が議員になっている(自営業者、年金生活者等)。


偏った人達が議員になる事で、幅広く住民の意見を反映する事が出来ず、さらに住民の不信を呼ぶ「負の連鎖」に陥っている。

小手先の「議員定数減による議員報酬増額」では、とても対応し切れない。
人口20万人弱の諏訪6市町村の議員数は合計86人。一般の議員で月額手取り、3市は平均約25万円、2町は平均20万円弱、1村は13,4万円。こんな金額では、故郷へのボランティア精神だけを頼りに、若者は出て来れない。多くは、現役世代を退いた、65歳以上の“高齢者“だ。
松本市の場合、人口24万人で議員数は31人。一般の議員で月額手取り40万円強。64歳以下の生産年齢人口に区分される人は20人/31人。
仮に、人口20万弱の諏訪6市町村の議員を現在の86人から1/3の29人にして、議員報酬を2倍にしても、人件費は2/3で済む。世代間格差も解消され、それぞれの世代から議員が生まれ易い環境になる。
自治体間の合併が難しいなら、せめて、議会だけでも広域でやればいいのにね〜〜。


請願をきっかけに、住民と議会とが条例案を作ることもできる。

請願に来るのは、ごく限られた人達のみ。ナントカ党の皆さんか、教育関係の方が多かった気がする。
一般住民にとって、請願は無縁。と言うよりも、議会に全く期待していない。もっと、意見の交換を持つべき。


実績作りの中途半端な議会報告会は、住民との溝を広げる。

開かないよりマシだが、1時間ほどの間に、20人の住民から何が、どの程度聞けるのか?毎週議会報告会をやるならまだしも、年に一回だけやって何が聞けるのか?そもそも、住民の意見は、自分の支持者から吸い上げて来れば済むだけの話で、こんな機会だけ張り切って、“やってる感“出すのはやめて欲しい。
高校生に意見を求める、だなんて言って、学校に”オジーさん”、”オバーさん”達がゾロゾロ行って、自分の孫達くらいの年の子供に聞いてきました、だなんて、本音が言える訳ない、子供なんだから。逆の立場ならどうか、よ〜く考えてみよう。


傍聴に当たって住所、氏名、年齢などを記載する手続きを省略する議会が多くなっている。

ここまで書かせると初めから分かっていれば、傍聴に行かない人は多いはず。増して、一枚の紙に、20人も書ける様になった用紙に自分の住所、氏名、年齢なんて書きたくない。だって、皆んなに見られるんだよ。本当に来てもらうつもりがあるなら、もう少し配慮が必要だね〜。


読まれない「議会だより」

簡単な話。読みたい紙面になっていないから。こんなに時間かけて一生懸命作ったのに、どーして皆んなは読んでくれないの?って思ってるけど、それは相手の気持ちを考えず、自分の気持ちを相手に押し売りしてるだけの話。

【参考事例】
・あきる野市「ギカイの時間」
69号と70号を見比べて下さい。
・山梨県昭和町
一般質問に執行部がどう対応したかを追跡調査する「追跡」
広報編集委員が町内の団体を訪ねて取材する「議員記者が行く」

議会だよりもタダじゃないんだから、税金なんだから、自分のおカネを使うように、真剣に考えてやらないと。自分の気持ちを相手に押し売りするのだけは止めて欲しい。


政策的能力の面で自治体格差が生まれている。首長の「追認機関」ではなくなった。議会には、自治体行政を良くする為に相応の働きが期待されている。

以前よりお話ししているが、人口減少は、町に魅力が無い証拠!明らかに、政策面で他に劣っているのが数字に現れる。議会は、牧歌的時代の名誉職を離れ、いい加減、政策提言等本来の仕事をすべきである。


「議会はいらない」と言うなら、それも可能です。「町村総会」に代える方法がある。

今のメンバー見れば、それもイイかも、って住民の皆さんは思ってるよ〜。


議員提案条例は、見栄えのしない幕の内弁当に少しアクセントを加えるイメージ。

執行部の政策は、当たり障り無いものになって当然。議員はモノ申せる立場にあるので、積極的に関わっていくべき。でないと、いつまでも”置いてけぼりの町”から脱することが出来ない。


予算・決算に積極的に関与していく手法とは

それにしても、無力感を感じたね〜〜。言っても何も変わらない。と言うか、変えようが無いんだろう。向こうの都合も分かってるから、あまりムリは言えない。かと言って、いかにもそれらしく、「ここはどうなってるの?」「昨年より増えてるじゃないか?」とか、センセー達は言うけど、結局「次回は直して下さい」程度で済んじゃう委員会なんて、やる意味あるのかね〜〜?言い出せばきりが無くなるほど、ツッコミどころ満載の決算書、予算書を見て、形ばかりの質問意見、賛成討論をする「儀式」に意味を感じなかった。


災害に対して議会ができることとは

無いね〜〜。
出来るのはせいぜい、消防防災訓練で「監察」と言う「儀式」に参加することぐらいかなぁ。
面白い話として、いざ災害が起きた時、役場職員と同じ作業服を着ていたら、何も知らない住民に声掛けられて困っちゃうんじゃないか?だから、一般住民に我々は“議員“ですって、分かる服装にした方がイイ、なんて心配してる人もいた。確かに、声掛けられても、センセー達には、悲しいかな、何も作業は出来ません。


議会図書室を訪ねてみられるといい。看板は掲げられていても、実態は倉庫ないし物置状態。議会図書室は、議会のやる気を測るバロメーター。

確かに、そんな看板見た気がするけど、行ったこと無かった。これって、一般住民も使えるみたいなので、皆んなで町の資産を有効活用して下さい。そして、皆んなでセンセー達と事務局を刺激してやって下さい。


執行部を動かす一般質問の仕方

『地方議会のズレの構造』を読んで、感じた事、思い出した事




一般質問は、定例会の最大の「見せ場」。
どうして60分の持ち時間を20分で切り上げちゃう人が出るのか?
廊下ですれ違った時に聞けばわかる程度の質問を、あえて一般質問で聞くのか?
首長のご機嫌取りをする「太鼓持ち」になるのか?
前にも書きましたが、住民の皆さんが都度都度議員を評価し、点数を付けていただきたい。
一般質問の質
議会だよりの内容
住民との絡み具合、等々

百聞は一見に如かず。実際に議会を傍聴してみることを、本当にオススメします。


批判を浴びない政務活動費の運用

皆さん、田舎町のセンセー達の政務活動費って、いくらもらってるかご存知ですか?ある町では102千円もらってるんです。と言っても、月ではなく、年間で、です。と言うことは、月8,500円!(◎_◎;)高校生のお小遣いでもあるまいし、と私は思いました。皆さんはどう感じますか?
それはさておき、いくら少ない金額とは言え、税金は税金です。厳格に使っていただきたい。これって、どこの自治体も、そうらしいけど、前払いなんです。全額もらっておいて使え、ってこと。フツーに考えてムダに使うはなー。後払いにすべき。そして、第三者にチェックしてもらうべき。議会事務局は法律に触れてなきゃ何も言わない、センセーに絡むのが面倒くさいから。皆さん、議員が何におカネを使ったか見てみるのも面白いですよ。公開が原則ですから、面倒ですが、議会事務局まで行けば見せてくれます。お楽しみに。


終わりに

田舎の議員になり手が少ないのは、全国的な話。ロートルが、近頃の若いもんは故郷に対する思い入れが少ない、なんて言ってるのも聞きますが、そー言ってるロートルの息子はまず間違いなく、田舎にはいない!都会で活躍してる。自分の優秀な息子を連れてきて、行き詰まった田舎町を再生させればいいのに、出来ない。出来ないから、ヨソの息子に頼む。ちょっと違うんじゃない?確かに、言いたい事は分かる。月20万円にも満たない「議員報酬」で、生まれ育った故郷を元気にしてくれ、なんて夢みたいなことを、まさか自分の息子には言えないよね〜〜。だって、その息子、都会で月に100万円も稼いでる。帰って来るわけない。と言うことは、田舎に残った残存兵だけでやるしかない。だけど、ここで問題が!何であんたが出て来るの、みたいな、お呼びでない輩が、勘違いして出て来るもんだから、面倒になる。
田舎に残った、数少ない優秀な人材に出てきてもらえる環境作りこそが、“センセー“たちが唯一出来る、仕事ではあーりませんか?



2017年05月24日 Posted by中村なおあき at 05:20 │Comments(0)

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