未来の年表 河合雅司 著

未来の年表 河合雅司 著




【筆者の言いたい事】

「不都合な真実」を包み隠さず、我々現役世代だけでなく、これからの日本を背負っていく子供世代にも詳らかにすることで、将来予想される「国難」を比較的ソフトにかわしていける。身の周りの日々の変化は分かりにくいが、徐々に衰退していく傾向にある。「静かなる有事」が迫り「茹でガエル」にならない様にしなければならない。われわれが目指すべきは、従来の成功体験と訣別し、人口激減後を見据えたコンパクトで効率的な国への作り替えである。


【フムフムと思ったとこ①】
・1992年18歳人口205万人、2015年120万人。
・1992年の四年制大学進学率26.4%、2016年52.0%。
・2015年度大学入学定員数59万人、えり好みしなければ誰でも大学生になれる。
・大学進学には適さない学生が大多数を占める。
・高度な人材の送り出しなど、とても期待できない。
・新時代に対応できず、「歴史的な役目」を終えた大学が教育界から「退場」していくのは仕方のないこと。(P30〜35)

大学生の「質」の低下に伴い、大学生の「価値」は間違いなく低下している。誰でもなれる「エリート」に存在価値は無い。「大学生」の位置付けを昔の「高校生」に、「大学院生以上」を昔の「大学生」へと定義変更すべきと考えるが、一般的にも既にそうなっているかなぁ。

【フムフムと思ったとこ②】
・介護スタッフの離職率の高さがあって慢性的な人手不足状況。
・介護職員の待遇改善の前倒し必要。(P50〜53)

いくつか仕事をしたことがあるから言えることだが、介護は給料が安く、集まる人もそれなりだ(ほとんどの国民はそう思っている)。ただ、このままレベルの低い職員を使っていると、そう遠からず自分がお世話になる時、そのレベルの低い職員のお世話になることだけは承知しておいてもらいたい。それなりに自分が扱われます。

【フムフムと思ったとこ③】
・生涯未婚率(50歳時点で一度も結婚したことのない人の割合)男性24.2%、女性14.9%(2015年度)
・交際に対しては消極姿勢が目立つが、結婚に対する意欲は強い。(P99〜103)

50間近の同級生を思い出す。結婚しないのには訳があるのか?
結婚することで世間が広がる。色んな人の気持ちが分けるメリットあり。一度は結婚することをお勧めします。


【フムフムと思ったとこ④】
・「小さくともキラリと輝く国」になるための第5の選択肢として「戦略的に縮む」
ちなみに、政府の進めようとしている4つの具体的政策は「外国人労働者」「AI」「女性」「高齢者」
・「20世紀型成功体験」と訣別するとき。(P148〜160)

まず、タイトルを見てビックリ!(◎_◎;) どこかの町のをパクったのかと思った。
このタイトル、現状小さくて、周りに埋もれ、パッとしない印象がある。昔NHKでやっていた「明るい農村」を思い出す。決して明るくない農村を無理やり明るいと言っているのは、子供ながら聞いていて苦しかった。


【フムフムと思ったとこ⑤】
・高齢者の線引きを「65歳以上」から「75歳以上」に、子供の定義を「14歳以下」から「19歳以下」に変更
以前から提案しているが、「金銭的」にも「体力的」にも「時間的」にも余裕のある60代は「自分の親が世話になっている」「じきに自分も世話になる」ので、是非介護の世界で働いて事前に勉強してもらいたい。

・24時間社会からの脱却
不便さもまたよし

・非居住エリアの明確化
コンパクトシティにすべき。建築屋の言いなりで、本来人間が住んではいけないところまで住むようになった。本来の姿に戻すべき。

・都道府県を飛び地合併
地域創生は市区町村を残すことが目的ではなく、人口減少社会に対応し得る統治機構として見直す作業。諏訪湖の周りに自治体が3つも在るのは非効率で不自然。

・国際分業の徹底
得意分野だけに資源を集中。選挙対策のバラマキにしか見えない、中途半端な「温泉施設」「お祭り館」「石の博物館」は必要あるのか?造ったはいいが、案の定、人は入ってない。もっと町の特性を活かしたまちづくりが必要。

・国費学生制度で人材育成
すべての進学希望者に一律支給するのではなく、将来国家を背負うエリート人材の育成に注力すべき。また、すべての大学に満遍なく補助金や交付金を交付すべきではない。大学も淘汰される必要あり。

・中高年の地方移住推進
大学連携型CCRC。どこの親が偏差値40の田舎の「大学」に入って欲しいと思うのか。単に「大学生」と言う「資格」が欲しいだけならそれも良いが。いくら公立化して授業料を安くしたとしても田舎に優秀な人材は来ない。無理して優秀ではない若者を集めるよりも、都会でもまれてきた優秀な現役引退組を、学生として、または先生として田舎に連れて来る方が現実的。

・セカンド市民制度
リピーターを増やすには魅力と仕掛けが必要。これについても以前から提案している「ふるさと住民票」につながる。田舎を出て行ってしまった「出身者」達を巻き込んで、町の再生を考えるべき。

・第3子以降に1,000万円給付
本気で人口を増やしたいと思うなら、このくらいのことをしなければ。

(日本を救う10の処方箋から)



2018年02月28日 Posted by中村なおあき at 15:25 │Comments(0)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。